楽器を始めたばかりの人の中には、「メトロノームって何に使うの?」「そもそも必要なのかな?」と思う方が多いです。
メトロノームは、音楽の練習に欠かせないアイテムのひとつです。一定のリズムを刻んでくれるので、初心者でもテンポを合わせやすくなり、リズム感を身につける助けになります。
しかし、初めての人にとっては、BPMという数字や使い方、さらに種類の違いなどが少し分かりにくいものです。
そこでこの記事では、「メトロノームとは何か」から始めて、基本の使い方、種類や選び方、練習のコツまで、分かりやすく解説していきます。
トロノームを正しく理解し、楽器練習に自信を持って取り入れられるように、ぜひ最後までお読みくださいね!
メトロノームとは?初心者でも分かる基本解説

メトロノームとは、音楽のテンポ(速さ)を一定に刻んでくれる道具です。
カチカチという音や、電子音で「拍(はく)」を教えてくれるので、演奏のリズムが安定します。
音楽では「BPM(Beats Per Minute)=1分間に鳴る拍の数のこと」という数字でテンポを表します。
たとえば、BPM60なら1分間に60回(1秒に1回)のテンポ、BPM120なら1分間に120回(1秒に2回)のテンポになります。
また、音楽には「拍子(4拍子や3拍子など)」があります。
メトロノームはこの拍子に合わせて音を鳴らすことができるので、演奏のリズムを体で覚えるのにとても役立ちます。
つまりメトロノームは、ただの便利な道具ではなく、リズム感を育てるための先生のような存在です。初心者が最初に練習するときほど、その大切さを実感できるでしょう。
メトロノームを使うメリット(初心者にこそ必要な理由)
楽器の練習をするときに「メトロノームを使った方がいい」とよく言われます。
それは、メトロノームを使うことで得られるメリットがとても大きいからです。
1. リズム感が身につく
メトロノームは一定のリズムを刻んでくれるので、自分の演奏のズレに気づきやすくなります。最初は音に合わせるのがむずかしく感じても、続けているうちに自然とリズム感が良くなります。
2. 演奏が安定する
リズムがバラバラだと、せっかく弾ける曲でも聞きにくくなってしまいます。メトロノームを使えばテンポを一定に保てるので、安定した演奏につながります。
3. 練習の効率が上がる
同じ曲でも「ゆっくり→少し速く→さらに速く」と段階的にテンポを変えて練習できます。これによって、無理なく確実に上達することができます。
4. どんな楽器にも役立つ
ピアノやギター、ドラムなど、楽器の種類に関係なく使えます。特に初心者は、正しいテンポを意識しながら練習できるので、上達のスピードが変わってきます。
メトロノームの使い方(初心者向けステップ)
初めてメトロノームを使うときは、「数字の意味は?」「どう合わせればいいの?」と迷うかもしれません。
ここでは、初心者でも安心して取り入れられる基本的な使い方を紹介します。
1. BPMを設定する
まずはテンポ(BPM)を決めましょう。BPMは「1分間に鳴る拍の数」です。初心者は BPM60(1秒に1回)くらいのゆっくりした速さから始めるのがおすすめです。
2. 4拍子を意識して練習する
多くの曲は「4拍子」でできています。メトロノームの「1回目の音=強い拍」と考え、「1・2・3・4」と声に出しながら弾くとリズムをつかみやすいです。
3. ゆっくりから少しずつ速くする
最初から速いテンポに挑戦すると、リズムが乱れて弾きにくくなります。「ゆっくり → 少し速く → さらに速く」と、段階的にテンポを上げていくとスムーズに上達できます。
4. 苦手な部分だけを繰り返す
曲の一部でつまずく場合は、その部分だけを繰り返し練習してみましょう。短いフレーズをメトロノームに合わせて練習することで、全体の演奏も安定してきます。
メトロノームの種類
メトロノームにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴があります。
自分の練習スタイルや環境に合わせて選ぶことが大切です。
1. アナログ式(振り子タイプ)
- 昔から使われている、カチカチと振り子が動くタイプです。
- 音と同時に「振り子の動き」が目で見えるので、リズムをつかみやすいのが特徴です。
- デザインがクラシックで、インテリアとしても人気があります。
- ただし、大きくて持ち運びには不向きです。
2. デジタル式(電子タイプ)
- 小型で持ち運びやすく、ボタンでBPMや拍子を簡単に設定できます。
- イヤホンを使えるものも多く、周りの音が大きいときでも使いやすいです。
- 光で拍を知らせてくれる機種もあり、初心者でも合わせやすいのが魅力です。
3. スマホアプリやWebメトロノーム
- スマートフォンやパソコンで無料・有料のアプリを使う方法です。
- 手軽に使えて、機能も充実しているものが多いです。
- ただし、練習中に通知が来たり、音が小さいと感じることもあります。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、目的に合わせて選ぶのがポイントです。
メトロノームの選び方(初心者へのおすすめポイント)

メトロノームにはさまざまな種類がありますが、初心者にとって大切なのは「使いやすさ」と「練習環境に合っているかどうか」です。
ここでは選ぶときのポイントを紹介します。
1. 練習環境に合わせて選ぶ
- 家でゆっくり練習するなら → アナログ式がおすすめ。音もはっきりしていて、視覚的にも分かりやすいです。
- 持ち運びが多い人や、外で使うことが多い人なら → 小型のデジタル式が便利です。
2. 機能をチェックする
- BPMを細かく設定できるか
- イヤホンが使えるか
- 見やすいディスプレイや光の表示があるか
初心者ほど「シンプルで直感的に使えるもの」が続けやすいです。
3. 予算に合わせる
- アナログ式は3,000円~10,000円程度
- デジタル式は2,000円~5,000円程度
- アプリは無料や数百円から使えます
まずは安価なものやアプリから試して、自分に合うと感じたら本格的な機器を購入するのも良い方法です。
4. 初心者におすすめの選び方
- 「どこでも気軽に使いたい」なら → スマホアプリ
- 「集中してしっかり練習したい」なら → デジタル式
- 「クラシックな雰囲気で練習したい」なら → アナログ式
どれを選んでも正解ですが、「自分にとってストレスなく続けられるか」が一番のポイントです。
練習での活用法と上達のコツ
メトロノームはただ音を刻むだけの道具ではありません。
使い方を工夫すれば、練習の効果が大きく変わります。ここでは初心者でもすぐに試せる活用法とコツを紹介します。
1. ゆっくり練習から始める
難しい曲でも、まずはテンポを落としてゆっくり弾きましょう。正しいリズムで弾けるようになったら、少しずつテンポを上げていくことで、無理なく上達できます。
2. 苦手な部分だけを切り出して練習
曲全体を通すより、つまずく部分だけを短く区切って繰り返し練習する方が効率的です。メトロノームを使えば、その部分を正確なリズムで体に覚えさせることができます。
3. 楽器ごとの工夫
- ピアノ:両手で弾く前に、片手ずつメトロノームに合わせて練習すると安定します。
- ギター:コードチェンジの練習に使うと、タイミングが整いやすくなります。
- ドラム:基本のビートをメトロノームと合わせることで、リズムキープの力がつきます。
4. リズム感を強化するトレーニング
慣れてきたら、あえて「2拍目や4拍目だけに合わせる」など、メトロノームを裏拍で感じる練習もおすすめです。これは少し難しいですが、音楽的なノリを身につける助けになります。
5. 子どもの練習に取り入れる工夫
子どもは単調な音に飽きやすいので、光で拍を知らせるメトロノームやアプリを使うと楽しんで取り組めます。
メトロノームは、ただ合わせるだけでなく「どんな練習にどう使うか」で効果が大きく変わります。
工夫して使うことで、確実にリズム感と演奏力を伸ばすことができます。
よくある質問 Q&A

メトロノームについては、初心者の方からよく質問をいただきます。その質問にお答えしていきます。
Q1. メトロノームを使うと下手になるって本当?
いいえ、そんなことはありません。むしろメトロノームを使うことでリズム感が安定し、演奏が上達します。「下手になる」と言われるのは、メトロノームに合わせるのが難しいと感じる人がいるためですが、慣れれば大きな力になります。
Q2. 練習ではずっと使うべき?
最初のうちは使った方が効果的です。ただし、常に使い続ける必要はありません。「メトロノームあり」と「なし」の両方で練習することで、リズム感を自分のものにできます。
Q3. アプリと本体、どちらがいい?
初心者はアプリから試してみるのもおすすめです。持ち運びが便利でコストもかかりません。ただし、本格的に練習したい人や長く使いたい人には、デジタル式やアナログ式の本体を使うと安定して練習できます。
Q4. 何歳くらいから使える?
子どもでも小学生くらいから十分に使えます。最近は光でテンポを教えてくれるタイプもあるので、楽しみながら練習に取り入れられます。
まとめ
メトロノームは、楽器を練習するうえでとても心強いアイテムです。
一定のテンポを刻んでくれることで、リズム感を身につけたり、演奏を安定させたりすることができます。
初心者にとっては、「BPMって何?」「どうやって使えばいいの?」と戸惑うこともあるかもしれません。しかし、使い方の基本を知ってしまえば、どんな楽器の練習にも役立ちます。
種類もアナログ式・デジタル式・アプリとさまざまですが、大切なのは「自分に合っていて、ストレスなく続けられること」です。
最初はアプリで試してみるのも良いですし、練習を重ねる中で本格的なメトロノームを選ぶのも良いでしょう。
今日から少しずつメトロノームを取り入れてみれば、確実にリズム感が鍛えられ、演奏が上達していきますよ!